MICROSURGERYマイクロサージャリー

マイクロサージャリーは、手術を行う際の手技の一つで、日本語に訳すと「マイクロ=微小な」+「サージャリー=外科/手術」となり、文字通り「微小外科(手術)」のことです。また、手術の際には高精度の顕微鏡を用いるので「顕微鏡下手術」と言い換えるとわかりやすいかもしれません。

形成外科への応用

形成外科に限らず、通常の手術は基本的に肉眼で行いますが、ヒトの体の中には肉眼では見えにくい細い血管やリンパ管や神経などが多数存在しています。これらの微小なものをつなぎ合わせる必要がある時に用いられるのがマイクロサージャリーの技術です。特殊な専用の顕微鏡を用いて直径1mm未満〜2mm程度の細い血管やリンパ管を吻合したり、神経縫合を行うことが可能で、精密な機器と術者の高度な技術により成り立つ技法です。
たとえばリンパ浮腫の治療では、直径約1mm程度の静脈とリンパ管を繋ぎ合わせる必要がある場合がありますが、それらを吻合するのには、髪の毛よりはるかに細い針糸を用いて吻合しなければなりません。そんな時にこのマイクロサージャリーの技術がチカラを発揮します。
微細で繊細な環境下で、慎重かつ丁寧に手術を進めていく際に、顕微鏡で拡大された高解像度の画像を頼りに行うマイクロサージャリーは、現代の医療現場には欠かすことの出来ない技術の一つとなっています。
当院では、前述のリンパ浮腫における手術(LVA手術)の他、顔面神経麻痺や眼瞼下垂の治療、あるいは高い審美性が要求される美容外科の分野などにおいても、必要に応じてこのマイクロサージャリーの技術を最大限に利用して、治療に臨んでいます。

リンパ管と血管吻合のイメージ図

リンパ管と血管吻合のイメージ図

機器(顕微鏡)の紹介

LEICA M320(ライカM320)

当院では、高性能カメラでも有名なドイツが誇る光学機器メーカー:ライカの手術用顕微鏡、M320を使用しています。
比較的小型で取回しがよく、自在な動作性に優れた顕微鏡で、明るく鮮明な画像とレンジの広い被写界深度や焦点の合わせやすさは、マイクロサージャリー技術には欠かせないツールの一つといえます。

LEICA M320(ライカM320) イメージ